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みんぱくの図録


文化人類学・民族学の研究所であり、世界最大級の博物館機能を備えた国立民族学博物館、通称みんぱくの展覧会図録がいくつか入荷しました。

『太陽の塔からみんぱくへ – 70年万博収集資料』 ¥1,600+税

大阪万博を2年後に控えた1968年、世界の諸民族の資料を収集するというミッションに限られた予算と時間のなかで取り組んだ「万博資料収集団」。彼らが1968年から1969年にかけて収集した世界各地の標本資料や活動の様子を紹介した一冊。60年代後半から70年代にかけて世界が大きく動いていく状況のなかでの民族文化や地域社会の様相を描き出す。

『イメージの力』 ¥1,600+税

歴史を通じて人間が生み出してきた様々なイメージ。そのつくり方や受けとめ方に、人類共通の普遍性はあるのか。 みんぱくが所蔵するコレクションのなかから約600点の造形を精選。

『ビーズ』 ¥1,100+税

飾り玉、数珠玉、トンボ玉などを総称するビーズ。人類がつくりだした最高の傑作品のひとつであるビーズについて、つくる楽しみ、飾る楽しみをとおして世界の人びとにとってのビーズの魅力を紹介。

『現れよ。森羅の生命 – 木彫家 藤戸竹喜の世界』 ¥1,800+税

旭川を拠点に「熊彫り」を生業としていた父のもとで、12歳から木彫を始めた藤戸竹喜(ふじと たけき)は、父祖の彫りの技を受け継ぎながら、熊をはじめ狼やラッコといった北の動物たちと、アイヌ文化を伝承してきた先人たちの姿を木に刻み、繊細さと大胆さが交差する独自の世界を構築。卓抜なイメージ力・構想力とともに、生命あるものへの深い愛情に根ざした生気あふれる写実表現。 動物たちの俊敏な動きをとらえた初期作から、民族の歴史と威厳をモニュメンタルに伝える等身大人物像まで、70年にわたる創作活動の軌跡とその背景をたどった作品集。

『屋根裏部屋の博物館』 ¥2,762+税

実業家・渋沢敬三が学問への憧れを捨て去れず、自邸内の物置にアチックミューゼアム(屋根裏部屋の博物館)を設け、玩具から始まり、庶民の生活資料の収集と調査を行った。このような資料を渋沢は「民具」と命名し、日本の民具研究から周辺諸民族の物質文化の比較研究へと研究領域をひろげ、独自の渋沢民俗学を形成した。アチックミューゼアムの民具と民具研究の思想がうかがえる一冊。

『なかはどうなってるの? 民族資料をX線でみたら』 ¥667+税

人間が多様な素材からつくる道具の数々をX線写真で観察すると…。モノのもつ魅力のあらたな発見。 民族資料にX線透視調査を行い、実物とX線写真を比較しながら,モノの中に秘められた様々な側面を紹介。外見たけでは気がつかなかった発見や、これまでとは違ったモノの見方ができる一冊。

 

今日、世界の辺境・秘境へ手元のスマホ画面のなかでも訪れることができますが、もう一歩深く分け入りたいと思ったとき、みんぱくを訪れて文化の多様性を肌で感じてみるのもいいかもしれません。テクノロジーの進歩とともに手放してしまうには惜しい人類の英知の一端、まずは図録で探求してみてください。

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2018-05-10 | Posted in BOOKSComments Closed