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植本一子トークイベント「うれしい生活」

夫との出会いと結婚、子どもの出産と成長、そして訪れた夫の死。広島出身の写真家・植本一子さんの初となる写真集『うれしい生活』(河出書房新社)は家族のかたちを模索する歳月を写した一冊。今回は写真集の刊行を記念したトークイベントを開催します。

トークのお相手として、広島市現代美術館の学芸担当課長で、植本さんも参加する現在同館にて開催中のグループ展「アカルイ カテイ」を担当した竹口浩司さんをお迎えします。

植本さんの写真を通して、現代に生きる一人一人にとっての家族のかたちを考えます。

「アカルイカテイ」特設ウェブサイト

植本一子(うえもといちこ)
1984年広島県生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞。写真家としてのキャリアをスタートさせる。2013年に「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。これまでの著書に「かなわない」「家族最後の日」「降伏の記録」「台風一過」等がある。

竹口浩司(たけぐちこうじ)
広島市現代美術館 学芸担当課長
1970年生まれ。大学では社会学と西洋美術史を学ぶ。2000年から福岡県立美術館に勤務。近現代の工芸を中心に展覧会を企画。主な展覧会に「糸の先へ いのちを紡ぐ手、布に染まる世界」「江上茂雄 風ノ影、絵ノ奥ノ光」「とっとっと? キオク×キロク=」など。2015年より現職。「交わるいと 〈あいだ〉をひらく術として」「山口啓介 後ろむきに前に歩く」「アカルイ カテイ」などを手がけている。

日時:2/9(日) 19:30〜21:00(受付19:00〜)
料金:1,500円
定員:30名
会場: READAN DEAT

※定員となりましたので受付終了とさせていただきます。

2020-01-12 | Posted in EXHIBITION & EVENTComments Closed 

 

阿部海太 個展「ICON」

展覧会など通して精力的に作品発表を行う阿部海太さんの広島ではおよそ2年ぶりとなる個展を開催します。聖像、偶像、影像、表像、アイコン、イメージ。芸術の根源を想起させる“ICON”(イコン)という言葉をテーマに、描き下ろしの油彩や布の作品、新作となる立体作品の展示販売を行います。

阿部海太 / ABE KAITA
絵描き・絵本描き。1986年生まれ。埼玉出身。東京藝術大学デザイン科卒業後、ドイツ、メキシコに渡る。2011年より東京にて絵画と絵本の制作を開始。翌2012年に本のインディペンデント・レーベル「Kite」を結成。2016年夏より拠点を神戸に移す。著書に『みち』(リトルモア 2016年刊)、『みずのこどもたち』(佼成出版社 2017年刊)、『めざめる』(あかね書房 2017年刊)、共著に『はじまりが見える 世界の神話』(創元社 2018年刊)。
kaita-abe.com

会期:2/1(土)〜2/16(日)

ギャラリートーク「背中のないものたち」

阿部さんに展示テーマの“イコン”について、また、人の創造活動の成り立ちと行方についてREADAN DEAT店主が聞き役となりお話を伺います。

日時:2/2(日) 17:00〜(受付16:30〜)
料金:1,000円
定員:20名
会場: READAN DEAT

【お申込み方法】
以下のコンタクトフォームに題名を「阿部海太ギャラリートーク」として、メッセージ本文に
1. お名前 2. 参加人数 3. 電話番号 をご記入の上お申し込みください。
また、お電話(082-961-4545)でも受付けております。

    お名前 (必須)

    メールアドレス (必須)

    題名

    メッセージ本文

    上記の内容で送信してよろしいでしょうか?
    問題なければチェックをお願いいたします。

    コンタクトフォームから送信できない場合、上記と同じ項目を以下のメールアドレスにお送りください。
    info☆readan-deat.com  ☆は@に置き換えてください。

    2020-01-10 | Posted in EXHIBITION & EVENTComments Closed 

     

    ノッティングの椅子敷 展

    倉敷で民藝運動を牽引した染織家・外村吉之介が考案したノッティングの椅子敷。座り心地やわらか、あたたかく丈夫で永年愛用していただけるウールの織物です。

    倉敷本染手織研究所を卒業し、東広島で制作を行う駒木根圭子さんの椅子敷は民藝の精神に敬意を払いながらも、現代的なエッセンスを取り入れた図案で、暮らしに彩りを与えてくれます。

    駒木根さん在店日には織り機を使った実演も行います。手触りを楽しみながら、お気に入りをお選びください。

    会期:1/18(土)〜1/26(日)会期中無休
    駒木根圭子さん在店日:1/18(土)、19(日)、26(日)

    2020-01-09 | Posted in EXHIBITION & EVENTComments Closed 

     

    shink tank POP-UP SHOP

    1/11(土)、12(日)の2日間、広島市西区三篠町で2019年にスタートした予約制の輸入雑貨店「shink tank」のPOP-UP SHOPを開催します。ヴィンテージのミッドセンチュリーなどがメインというラインナップに加え、独自で仕入れた商品が並びます。以下、若き店主・shin君による商品説明をお届けします。

    FAT LAVA
    Fat lava は1950年代から1970年代まで旧西ドイツで盛んになった陶器カルチャーです。Fat は太った意味、ズングリとした形が太ったという表現、Lava は溶岩という意味で釉薬の表現が溶岩の様に見えるためです。ナチス政権によってアートを抑制されてた時代から発信できる時代になった人々の明るい活動。そしてドイツも日本と同じ敗戦国。国を復旧しようと頑張った人がたちの時代背景が見えてきます。

    Nemadji
    Nemadji Tili&Pottery Co.社が制作していたNemadji Potteryはアメリカミソネタ州でネイティブアメリカンとして作られていました。1929年創業から2001年まで長い歴史を閉ざしました。どれもこれも、50年代から80年代の物になっていています。なんとも言えない不規則な自然を連想させる美しい釉薬の使い方が特徴の物です。一度素焼きして水面に釉薬を浮かべ浸すという技法でできる表現です。同じ模様を作る事は不可能なので、どれも一品物です。

    Marieke Jacobs
    オランダのブランドでデザイナーのマリエケが手がけるデザインはキャッシュレスの時代に使用して欲しい一品になっています。ミニマムなデザイン性と機能性がありライフスタイルに綺麗に溶け込みます。

    DAHLS”
    カナダのエプロンを中心としたブランド。デザイナー兼職人のニルスが手がけるエプロンはデザインと機能性を選び抜かれ。2020年のパリで開催されるMaison Objectsに選考されました。スタイリッシュなデザインから、長く使える使いやすさから、ロングライフデザインのエプロンとなってます。

    Others
    僕自身が独自の感性からデザイン性や歴史的背景から連想し国とジャンルを問わずに選び抜いた雑貨をセレクトさせていただきました。中には変わった物からスタンダードな物から自身の歴史的背景の妄想が行き過ぎてセレクトした物なのど様々にご用意していますのでお楽しみください。

    shink tank POP-UP SHOP
    会期:1/11(土)、12(日)

    shink tank webサイト

    2020-01-06 | Posted in EXHIBITION & EVENTComments Closed 

     

    チェーン書店が街から消えていく

    そう聞いて憤る方も多いかもしれないが、個人的にはそう考えている。その流れは人口の少ない地域から徐々に都市部へと広がっていく。地場で頑張る中規模のチェーン書店は本屋であることを諦め、全国チェーンの大型書店も採算の取れなくなった地方都市から順に撤退をはじめる。その一方でポツポツと増えていくのは「独立系書店」と呼ばれる個人経営の本屋で、全国的に見てもここ最近、実際に増えているようだ。ただしそれは決して、独立系書店の方が優れているからではない。根本的に店の在り方が異なっているから。その理由を探るためにも、まずは現状の書店という場所を俯瞰して考える必要がある。

    「1ヶ月に紙の本を全く読まなくなった一方、スマートフォンに時間を費やす人が増えた」というニュースをスマホで見る。そんなシニカルな体験談からも分かるように、娯楽も知識も情報も手軽に持ち運ぶことができるスマホは現代人の必需品。電車での移動時間にも、カフェでの待ち合わせ時間にも、本はすでに必要とされていない。アプリをダウンロードすればスマホは電子書籍を読むためのデバイスにもなる。その影響か、紙よりも電子との相性が良い雑誌やコミックの販売売上は年々減少している。

    「スマホが日常、読書が非日常」の世の中であっても、読書を日常とし、手触りのある紙の本を好む人たちもまだまだ健在だ。しかし、そういう本好きが書店に足しげく通っているかと言えば、そうでもなさそうだ。世代間で差はあると思うが、彼らにとって一番身近なのはゼロ距離の総合書店、Amazon。古書や洋書も合わせれば大型書店を凌駕する圧倒的な品揃え。検索ワードさえ分かれば目的の本に瞬時に辿り着き、数日以内に手元に届く。書店に行くことではなく、読みたい本を手に入れることが目的であるなら、Amazonほど便利な書店はないだろう。つまり、読書を日常とする人にとって「Amazonが日常、リアル書店が非日常」となっている。通勤通学の途中や生活圏内に書店がない場合、Amazonはさらに日常に溶け込んでいく。

    Amazonにできない非日常体験を提供すること。リアル書店はここに力を注いでいかなくてはならない。1つ目は「手にとって読める」という体験。普段リアル書店で本を買う人にとっては当たり前のことだけど「実物を手に取る」ということが非日常になっていく。これはどんなリアル書店にも備わっているシンプルな強みで、Amazonにはないニッチな品揃えはより効果を発揮する。2つ目は「思わぬ本と偶然出会う」という体験。出版社名や著者名ごとに区分けするのではなく、ジャンルもMIXさせたクロスオーバーな本の並び、いわゆる文脈棚には、閲覧履歴から導き出すリコメンド機能にはできない、未知との出会いを提供することができる。3つ目は「人と出会う」という体験。著者のトークイベントやサイン会、読書会やビブリオバトルなど、本を介した人との出会いはリアルな場所にしかできない最大の強みだ。そこにはつながりが生まれ、継続していくことでコミュニティも広がっていく。

    独立系書店はチェーン書店に比べて、上記の非日常体験を積極的に提供しているが、さらに存続していく理由として、決定的な違いがある。それは、独立系書店は経済的合理性だけで動いていないということだ。チェーン書店は企業である以上、前年よりも業績をあげなくてはならない。元々利益の低い本が売れない時代、社員の代わりにアルバイトを増やして人件費を削減したり、本よりも利益率の高い雑貨コーナーを増やしたり、店内にテナントを誘致して安定した賃料を確保したり、様々な施策を駆使して書店を経営している。一方で、独立系書店を始める人は純粋に利益だけを追求していないし、そういう人はそもそも本屋を始めない。こうやって書くと聞こえは良いが、「本が好きだ」「本屋をやりたい」「地元で面白いことをしたい」など、要するに感情を最優先していて、その次にどうやって店を継続させていくかを考える。本のセレクトはもちろん、内装の雰囲気やレジでのやりとりなど、良くも悪くも店主という「人」の存在が、結果としてAmazonにはできない「非日常」にも繋がっていく。

    ここで言う「人」の魅力は、本来チェーン書店にも備わっていたはずなのに、皮肉にも人件費削減という企業の合理的判断が、結果として書店員の負担を増やし、その魅力を押し殺してしまっている。選書と接客という、本のプロとして、本来の能力が十分発揮できないような現場では、若手を育成する余裕もないだろう。代わりに取次会社がデータを元に配本する「売れそうな本」が店作りの根幹を担っているが、Amazonにできない「思わぬ本と偶然出会う」という体験を、どこまで提供できているだろうか。

    チェーン書店が「本屋」として生き残る道があるとすれば、それはもう一度、プロフェッショナルな書店員にフォーカスすることだ。例えば、現場で働く書店員は社員ではなく、独立したプロとして契約するという仕組みを作るというのはどうだろうか。これはテナント契約している店主がオーナーとなり、本を売りたい希望者に棚を有料で貸し出して運営する下北沢のBOOK SHOP TRAVELLERや、吉祥寺のブックマンションという個人経営の本屋と同じアイデアで、プロ書店員は書店から棚を借り、書店と取引のある取次会社へ自由に発注して選書したり、個人で仕入れた本を販売することができる。その棚の販売分の利益を月々受け取る代わりに、書店には棚の使用料を支払う。魅力的な棚作りで大切なのは、現場に出向いて棚を手入れし続けることであり、定期的に通える距離で複数の書店とプロ契約できれば、書店員本来の仕事として成り立つのではないか。大雑把で勝手な妄想に聞こえるかもしれないが、チェーン書店が「本屋」として商売を続けるためには、それぐらいの思い切りが必要だと思う。

    「書店がなくなることは、街にとって損失だ」と憤りの声が聞こえるうちはまだ良いのかもしれない。近い将来、街からチェーン書店がなくなったとしても、誰も困らない世の中がやってくる。そうなる前に、もう一度「本屋」であり続ける道を模索して欲しいと願うのは、自分も憤るうちの一人だからだ。

    参考図書:永江朗『私は本屋が好きでした』(太郎次郎社エディタス)
    ヘイト本が書店に出回る実態を取材した一冊ですが、書店業界の抱える問題についても分かりやすく詳細に説明されています。

    2020-01-05 | Posted in THANK YOUComments Closed