BOOKS
工芸青花
じつは本づくりは、手作業の割合がとても多い仕事です。そしていまは本も、工芸も、
時代をおおうファスト化の波にのみこまれつつあります。私たちがはじめようとしていることは、
ファスト化の競争からひとまずおりて、工芸と本のあるべき場所をさがすことでもあると思っています。
とりもどしたいのは、手ざわり と、時間です。すなわち〈生の実質〉です。
(工芸青花ウェブサイトより)
『工芸青花』は年3回1000部限定で刊行される骨董、工芸、建築をより深く味わうための雑誌。
自分の中の「眼」を育ててくれる指南書であり、この本自体が工芸品でもあります。
品質と志が極まった一冊です。
■A4判、麻布張り上製本、見返し和紙(楮紙)、カラー176頁。
■ロゴの「青花」は初唐三大家のひとり、欧陽詢筆「九成宮醴泉銘」より採字したもの
(タイプデザイン岡澤慶秀)、欧文書体Joannaはイギリスの工芸家エリック・ギル作。
■表紙は毎号、古美術品から文様をよりぬき、箔で捺します。
¥8,000+税
善き門外漢
「愛着をもって自由に遊ぶ」という、門外漢(アマチュア)としての態度を真ん中に据えた
『善き門外漢 』のvol.0が入荷しました。ファッションの仕事に携わるなかで感じていた違和感。
それと反比例するかのように高まっていく文学への情熱。そんな状況のなかで
ファッションジャーナリストの林央子さんの展覧会に心打たれてスタートしたリトルプレスです。
印刷と製本以外は全て自分でやってみよう!とか堂々とこの人の影響を受けた!とか
門外漢だからこそできること言えること。何かが読む人に飛び火します。
¥880+税
murren Special edition
『murren』は、2009年の秋から、THE NORTH FACEとのコラボレーション企画
「山でパンとスープの会」を開催してきました。年3回、 季節ごとに、東京周辺の日帰り山へ出かける
ごく小さな集まりは、山に登ってみたい方、山がお好きな方は誰でも(ただし女性限定です)
気軽に参加できる 会として続いています。特徴は、山に登ってスープを作って食べて下りてくる
ただそれだけですが、2014年の秋で15回目を迎えます。
今回の番外編では、これまでに登った山と作ったスープ10回分をまとめたもの。
週末に身近な山に登る楽しさ、山頂で一杯のスープを食べる幸せを感じる一冊です。
本文を半分に折れば、表紙の厚紙に挟み込んで小さく収納でき、山の携行にも便利な作りとなっています。
¥500+税
Suburban Portraits
大阪のCalo Bookshop & Cafeさんの10周年を祝して画家のnakabanさんとともに作られた小さな本。
店主の石川さんの「絵の本なんだけど旅に持っていけるような、コンパクトで何度読んでも飽きない本」
というリクエストに答えて作られたシンプルな手製本は、この本を手に取った人が「これなら私も!」と
本が作りたくなるような本という裏テーマもあります。
ページ端はわざとぎざぎざのカットになっています。
印刷はシルクスクリーン。nakabanさんと石川さんの手製本で、200部限定。エディション入り。
¥3,500+税
いかにしてともに生き、ともに学ぶか
東京写真美術館運営委員、NTTインター コミュニケーションセンターのコミッティを務め
東京藝術大学では先端芸術表現科の新設と、常に新しい芸術表現の振興に尽力されてこられた
伊藤俊治氏にオルタナティブな学びの場についてお話しいただいた2014年3月の講演録。
バウハウスやF.L.ライトのタリアセンなどこれまでの優れた試みを振り返りつつ
これからの芸術教育に求められるビジョンを親しみやすい言葉で語っています。
アートだけでなく、学びの現場に携わる幅広い人たちがヒントを得られる1冊。
この冊子は、フランス装風のアンカット仕上げになっています。お読みになる際にご自身で
ペーパーナイフ等でページをカットしてください。カットしたページの端が不ぞろいになりますが
手作業による造本の味わいとしてお楽しみください。
¥500+税