THANK YOU

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資料閲覧中に偶然みつけたといって、叔母が持ってきてくれた祖母の被爆体験談。

二年前に他界した祖母は、当時について多くを語らなかったのでみつけたとき驚いたそうです。

 

爆心地から約3kmの三滝町で看護婦をしていた祖母は、当直明けに8時15分を迎えます。

大粒の黒い雨が降るなか、重症患者をおぶって避難し、その後も市内の救護所を廻ったそうです。

「若さがあればこそ動けたのです。」

短い文章ですが、当時19歳の少女が体験した出来事が淡々と綴られています。

 

8/12のトークイベントにむけて、自身の被爆体験を元に書かれた、原民喜の『夏の花』を読みました。

さつと転覆して焼けてしまつたらしい電車や、巨大な胴を投出して転倒してゐる馬を見ると、
どうも、超現実派の画の世界ではないかと思へるのである。

落ち着いた語り口とは対照的に、想像を絶する光景、出来事が描写されています。

 

体験者の言葉には、写真や映像などの資料以上に強いリアリティを感じます。

祖母の話はあまりにもプライベートな事柄かもしれませんが、広島に生まれた者として、

この街がかつて経験した出来事を知り、伝えていく役割があると思い紹介しました。

 

被爆から70年。緑豊かなこの街の夏の夜、川沿いのベンチには気持ちいい風が吹いています。

2015-08-06 | Posted in THANK YOUComments Closed